【レポート】Alteryxを用いたリスキリングによる全社DX実践
2023年3月7日(火)、御茶ノ水のソラシティホール&カンファレンスでAlteryx Analytics Cloud Roadshowが開催されました。本記事は、「Alteryxを用いたリスキリングによる全社DX実践」に関するセッションレポートです。
セッション情報
セッションタイトル
Alteryxを用いたリスキリングによる全社DX実践
セッション概要
PwCにおけるアシュアランス業務での実例と導入効果について
スピーカー
PwCあらた有限責任監査法人
アシュアランス・イノベーション&テクノロジー
シニアマネージャー
荻野 創平 氏
セッションレポート
スピーカー紹介
- PwCあらた社の中のDX推進を行っている
- また、様々なベンダーとのアライアンス担当としてコンサルティングも行う
組織紹介
- 組織のミッション
- 財務諸表監査室業務のDX推進
- コンサルティングサービス
- 加えて、事務作業を行う事務センターの立ち上げやソリューション導入なども実施
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Alteryxありきで人材開発を行う、という思想で人材開発のチームが立ち上がった
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以下の点で、ユーザーとして、またはビジネスパートナーとしてAlteryxと強い関係性を築いている
- 利用ライセンスも多い
- Alteryxを活用した支援サービスも行っている
Alteryxを用いたPwCのReskilling
- 財務監査室の業務紹介
- レシートのような証憑の管理
- データの仕分け作業
- 上記のように、データを中心とした業務であった
- 作業のうち、クライアントのデータを分析していくのが中心
- そのためデータ作成の作業ほとんどなく、加工・分析が殆ど
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その加工の過程ではExcelで行われることが多かったため、そこに対してのDX導入がポイントとなっていた
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財務監査室の特徴
- 決算期の業務が集中
- クライアントごとに異なるデータを使用
- 会計士は個人事業主のような職人気質が強い
- こういったこともあり、データ民主化が難しい環境であった
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Alteryx導入までの流れ
- まずはExcelのスキルアップ
- Excelマクロなどの開発部隊の立ち上げ
- BIやRPAの導入
- 上記の通り色々試した結果、Alteryxの導入を実施
- この3つではダメだったのか、なぜAlteryxが必要だったのかを次以降で説明
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Excelスキル向上の問題点
- Excelは有能で何でもできる
- ただし、自由度が高く変更履歴を追えないなどの理由で、データの品質担保ができない
- それがゆえに色々なルールなどができてしまいスキル向上に繋がらなかった
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マクロ開発専門部隊施策の課題として、
- 開発部隊とビジネス部隊の理解にギャップがあり、要件定義に時間がかかる
- 専門の人を用意したり、それに沿った評価制度を準備したため時間がかかる
- 外注する際、承認をとるなど敷居が高い
- 実際には現在もチームは存続していて価値を発揮しているチームであるものの、普及のスピードには課題があった
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BI&RPAの課題
- データ加工に特化したツールではないため、業務プロセス上メインの加工作業に向いてない
- 単純な突合とかの作業を行いたくても、簡単な操作が難しい
- それらの課題をクリアするのが、Alteryxでスキルを再構築していくことだった
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Reskillingのアプローチとして、新たに自分で学んで自分の業務に活用することで、スキルアップを目指していった
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Reskillingとは、自分事化するということ
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DXとは、誰かが行うものではなく自分で行うことだと意識づけるアプローチが必要
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Alteryxを用いたReskillingで行ったこと
- 社員全員がAlteryxを標準スキルとして利用できるようにする取り組み
- 社員全員にライセンス付与し、自分のPCでの環境を提供
- 利用推寸するための専門チームを立ち上げ
- 全員にライセンスを付与していると実際には6割のライセンスは無駄になっているが、導入に対する費用対効果は発揮しており、全員にライセンス付与することは決して無駄ではないと実感している
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Reskillingを行う際に重要なこと
- 意識改革。職種に関係なく、みんなが使う必要があるツールだと意識を改めた
- 一人も取り残すことなく全員に丁寧にレクチャ。全員が分かる状態を目指す
- ベストプラクティスやノウハウの共有
- ツールを導入して終わりでなく、ツール利用をサポートするための環境整備も大事
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Reskillingを行う際に効果的だったこと
- 全員に対するデジタル研修。デジタルの共通言語ができたことで意識が変わった
- 社内のインフラを通しての啓蒙活動や、社内のサポートデスクの設置
- データエバンジェリストを選定し、その人を起点に広げていく
- Reskillingというのは、単純なテクノロジー導入では環境を作っていくこと
Alteryxを用いたReskilling支援サービス
- データ利活用の一般的な企業の実態
- データレイクやBIを導入していればDXが進んでいくと認識していた状況
- しかし、現場の実態としてはExcelやマクロが存在していて結局はそれがなくならない
- 結局データレイクやBIだけだと、間がない状況
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その加工過程でExcelを活用していると品質を担保できないため、Alteryxが活躍できる
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Alteryxを導入しても、まだ問題点は出てくる
- 特定のチームのみ使っており、引き継ぎが行われない
- ベンダー(人)に依存していて、人手不足
- これを解決するには、やはり組織全員がAlteryxを使う必要がある
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Alteryxを用いたReskillingで目指す組織図
- 組織全体が全員Alteryxを知っている状態をつくることが必要
- 組織全体で、ツールの誰が何をするかを定義していく
- Reskillingにおいては、ツールを入れてからが本番で、組織の改革が必須
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組織改革を行うためには、DXに精通した人と、組織の意識を変えてるために伴奏していくパートナーが必要
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そこに伴奏できるのがPwC社
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Reskilling支援内容
- 研修やワークショップ
- 文化情勢活動 など
- Reskilling支援サービスでは人の育成を提供を行っている
最後に
このセッションでは、「Reskillingとは、自分事化」というキーワードが特に刺さりました。組織全体でDX推進を進めていくには、所属する全員が自分で学んで、自分の業務にDXを取り込んでいく必要があるというのは、現に実感している方も多いのではないかと思います。身近なところから積極的にデータ活用を取り入れていきたいですね。
以上、「Alteryxを用いたリスキリングによる全社DX実践」に関するセッションレポートでした。